マサラチャイの歴史
今では多くのカフェなでで普通に見かけるようになった”チャイ”の歴史は長く数千年も前に遡ることができます。 マサラチャイ(スパイスチャイ)古くはロイヤルファミリーによって嗜まれていたり、漢方薬として使用された記録が残っていたりしますが、今では色々な飲み方で世界中で愛される飲み物になりました。ここでは南アジアの王国で飲まれていたマサラチャイがどのように世界中のカフェのメニューとして嗜まれるようになったのかをご紹介したいと思います。
初期の歴史
伝承によるとマサラチャイの歴史は、数千年前の古代の宮廷で始まったと言われています。その始まりの時期については諸説あると言われており、いくつかの伝説ではそれは9千年も前であるとされ、他の伝説では5千年も前と言われています。そしてその始まりの場所である宮廷とは今でいうところのインドにあるという説もあり、タイではないかと言う説もあります。諸説に関わらず、その起源はアーユルベーダの概念に基づいて王様の身体をケア(クレンジング)する飲み物として始まったと言われています。
初期の頃からマサラチャイは様々な種類のスパイス(香辛料)を使用し、色々な方法で作られていたそうです。身体を整える療法としてホット、もしくはアイスでも提供されていました。この時期のマサラチャイは現在知られているチャイとは少し違い、茶葉は使用せず完全なカフェインレス飲料だったようです。
インドの大衆に人気となったマサラチャイ
1900年の初頭、インド紅茶協会の実質的なオーナーであったイギリス人がインド国内で紅茶の販売促進に力を入れ始めました。紅茶はとても高価な材料であるため、紅茶の販売者たちは少量の茶葉で紅茶を煮出し香りづけをし、スパイスや砂糖などで味付けすることで、原価は安いが美味しい紅茶の飲み方を紹介しました。そう現在知られているマサラチャイは紅茶が高くて飲めない庶民の飲みかたとして紹介されたのが始まりなんですね。
1960年代にインドでのマサラチャイ人気はより大きなものとなりました。これは”CTC“と呼ばれる手頃な価格の紅茶商品の販売が始まったからです。CTC とは( “Crush, Tear, Curl”)の略で、茶葉が粉々になった状態のもので、高級な紅茶には求められる繊細な見た目や味わい、色味などには欠けるので高級な紅茶としては販売が出来ない一方、味や香りが濃く、マサラチャイのクリーミーでスパイスと甘みの効いた味には相性が良かったのです。CTC で作るマサラチャイは現在でもインドの広範囲のエリアで人気のようです。
エリアによっては、”Chai Wallahs “と呼ばれるストリートベンダーやトレインベンダー(チャイのバリスタのような職業)が、マサラチャイを淹れてくれます。また家でお客様をもてなす際にも淹れられます。1日4杯以上のチャイを飲む地方もあり、夕方の4時ごろにおやつを食べた後に飲むのが人気です。
世界のマサラチャイの消費動向
世界中でマサラチャイが飲まれるようになったことで、様々なバリエーションが生まれています。
- インドでは甘味料として現地の”Jaggery – ジャグリー”と呼ばれる精製されていないきび砂糖を使用します。他のエリアでは普通のお砂糖を使うことが多いでしょうか。アメリカなででは、きび砂糖やハチミツなどを使用するのが人気です。
- インドや多くの他の国でも紅茶(Black Tea)がマサラチャイに使用されます。カシミール地方では、緑茶が紅茶の替わりに使われるそうです。アメリカや日本などではCTC ではなく、普通の紅茶の茶葉が使用されることが多いですね。カフェインレスのチャイには紅茶ではなくルイボスティーが使われることもあります。
- インドでは通常ホールミルクが使用されますが、健康需要の高い国では、スキムミルクや豆乳、アーモンドミルクなどが使用される場合も現在では多いです。
- インドでは通常フレッシュな生姜や擦りたてのスパイスでゼロからマサラチャイを準備するのが普通ですが、アメリカや日本などではすでにスパイスなどがミックスされた市販のチャイを利用するケースが多いでしょうか?さすがインドはスパイス大国ですね!
“chai”とは本来”お茶”という意味ですが、多くの国ではスパイスの入ったマサラチャイも”チャイ”と呼ばれていることも多いですね。ただ厳密に言うとスパイスやお砂糖が入っているものは”マサラチャイ”ということになります。
また現在ではコーヒーのバリスタがチャイを扱うことも多くなり、チャイラテなどのメニューもカフェで人気メニューとなっています。
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